10.2. 勘定科目のセットアップ

勘定科目のデフォルト通貨は編集設定にある勘定科目タブで設定します(Mac OS Xの場合はGnuCash設定です)。 勘定科目構造を構築する時に多くの時間を節約するため、正しくこのパラメータを設定してください。

帳票 (貸借対照表や損益計算書など)を表示するためデフォルト通貨も同様に設定できます。 このオプションはGnuCash設定帳票タブにあるデフォルトの帳票通貨です。 GnuCashを開始する時に両方のオプションを設定する必要があるかもしれません。例えば、すべての勘定科目はカナダ・ドルを使用する一方、生成する帳票はすべて米ドルを使用する場合です。この場合には、帳票に選択された勘定科目には選択された期間のデータ/取引が含まれていないかすべて0です。と表示されるかもしれません。

新規勘定科目を作成する時、商品を定義するオプションがあります。 通貨の勘定科目に関しては、通貨商品リストから単純に選択することでGnuCashによってサポートされる100以上の通貨のどれでも指定できます。 デフォルト通貨は常に設定で定義した通貨となることに注意してください。 よって、ほとんどの場合はユーロを使用し、臨時用にエチオピア・ブル勘定科目を持っているなら、設定をユーロにしてください。

例として、典型的な銀行預金口座をセットアップするシナリオを考えます。ほとんどは米ドルで運用しますが、ユーロ通貨を使用するヨーロッパの銀行預金口座を持っていて、加えて香港ドルを使用する香港の銀行預金口座も持っているとします。 それでは、3つの銀行勘定科目をセットアップします。米ドルを使用する一つ、ユーロ通貨を使用する一つ、および香港ドルを使用する一つです。 勘定科目構造はおそらく次のようになります。


-資産                         (USD)
   -流動資産                  (USD)
      -米国銀行               (USD)
      -ヨーロッパ銀行         (EUR)
      -香港銀行               (HKD)
-純資産                       (USD)
   -開始残高
      -USD                    (USD)
      -EUR                    (EUR)   
      -HKD                    (HKD)

注: それぞれの勘定科目の通貨は小括弧で表示しています。

この例では、ほとんど米ドルで運用するので、親勘定科目のすべてを米ドルに設定しています。 ほとんどユーロで運用するなら、当然、これらの親勘定科目の通貨をユーロに変更します。 勘定科目ツリーウィンドウに表示される合計は一般にそれぞれの特定の勘定科目の通貨に変換されます。 3つの銀行勘定科目を初期化するために、3つの開始残高純資産勘定科目をセットアップしていることに注意してください。

注記

単に一つの開始残高勘定科目をセットアップし、異なる通貨の勘定科目に対する両替として資金移動することもできます。 しかしながら、これはより高度なオプションのため、後の節 (「外貨建て資産の購入」) で説明します。

3つの銀行勘定科目にそれぞれ10,000米ドル、10,000ユーロ、および10,000香港ドルある状態で開始した例を次に示します。 親勘定科目の合計は、同じ通貨を利用する子勘定科目の合計額を示すだけであるのに注意してください。 後で、通貨間の為替レートを設定し、親勘定科目がすべての子勘定科目の換算値を計算するようにします。 この方法については後の節「為替の記録/更新(How-To)」を参照してください。

複数通貨の銀行勘定科目初期セットアップ

異なる通貨による3つの銀行預金勘定科目の初期セットアップ。

合計(帳票)列が表示されているのに注意してください。 これは列の見出し行で設定します。下向き矢印を選択して、合計(USD)を選択してください。

10.2.1. 利用者定義通貨

通常、通貨と言うと政府が発行した通貨のことを意味します(より厳密に言うとISO 4217国際標準で定義された通貨です)。 GnuCashでは通貨を利用者が作成することはできません。 非ISO通貨を追跡したい場合、2つの回避方法のうちニーズに合う方を使用してください。

例としてある企業グループで購入したときにロイヤリティーポイントとして付与されるリワードマイルがどれくらいあるかを追跡したいとします。 リワードマイルを追跡するための勘定科目は資産:その他:リワードマイルとします。

最初の手法はリワードマイルという名前のFUNDタイプの新しい証券を定義することです。 これは非常に率直な方法です。リワードマイル勘定科目を作成する時に、勘定科目のタイプを株式または投資信託に設定し、証券/通貨欄の横にある選択...ボタンをクリックします。そして新規ボタンをクリックし、FUNDタイプの新しい証券を定義します。

これは、実際には株や投資信託勘定科目タイプを意味しませんが、GnuCashでこれを通常どのように扱うかを (表記と異なりますが) 決めることができます。 欠点はリワードマイルが関係するあらゆる取引のために価格を入力しなければいけないということです。なぜならGnuCashがリワードマイルの貨幣価値を数値として表し、資産として扱う必要があるからです。

二つ目はダミー通貨の一つとしてリワードマイルを追跡する方法です。 ダミー通貨にはXTS (検査用符号)およびXXX (通貨無し)があります。 これらの一つをリワードマイル勘定科目のために使用する場合、毎回の取引で価格を入力する必要がなく、勘定科目に取引を入力することができます。 すべての種類の量を追跡するためにこの2個のダミー通貨を使用することができます。–今年取得および使用したVacation Dollars、取得および使用した休暇時間、健康保険福利の使用量と残存量などです。 想像力を十分働かせることによりGnuCashを財務だけでなく、あらゆる個人の数値を計るハブとして使用することができます。

この欠点は、ダミーの通貨をISO通貨に交換するための為替レートを定義できないということです。 それを行いたい場合は、最初の方法を使用してください。